講師紹介

01/染織工房WAVER
秋田 順子さん

大切にしているのは天然素材の心地良さ

老泉翔太さん

  カタカタと糸車が回る、おとぎ話の世界のような工房。ここで原毛・原綿から色を染め、糸車で糸を紡いでストールやマフラー、草木染めの小物などを作っています。化学繊維は使わず、自然から生まれた肌触りの良い素材を使用するのがこだわり。染料に使うのも環境にやさしいものだけ。原毛の中でもよく使うのは柔らかい品種のメリノウール。編み方も柔らかく仕上げることで、身に着けるときの優しさを追求しています。

  染めるとムラが生まれる原毛や原綿。その個性を生かすため多くの作品はあらかじめ細かくデザインを決めるのではなく、大まかに糸を決めたら目をつぶって一本を引いて決めるという感覚派です。

  尾張瀬戸駅からすぐの銀座通り商店街でツクリテたちが集う「深川アパートメント」で3年ほど活動したのち、現在の工房に。「商店街をはじめ、瀬戸のまちは人が温かく、ツクリテに過ごしやすい場所です」と話します。

02/三好屋 老泉
老泉 翔太さん

全国和菓子協会による「優秀和菓子職」にも認定!

老泉翔太さん

  広島で修行を積んだのち、三好屋老泉の三代目として活躍。「〝菓子は人なり〞という言葉があるように、和菓子はツクリテの心が表れるもの。日々、真摯に和菓子と向き合っています」。得意とするのは写実的でハッキリとしたテイスト。心とオリジナリティをプラスすることで、老泉さんならではの和菓子に仕上げています。

  和菓子には四季が大切。季節に寄り添ったものを作ることで、食べる人に「今年もこの季節が来たのだな」と知らせる役目があるそう。目指しているのは、若い世代に和菓子への興味を持ってもらうこと。そのためにも、〝顔の見える和菓子屋〞を意識しています。若い職人である老泉さんが表に立つことで、若い世代にも親しみやすい印象を与えているようです。

  最近は瀬戸のツクリテ同士がつながってまちを盛り上げていこうという活力を感じているという老泉さん。「地元・瀬戸はツクリテとしても好きなまちです」

03/瀬戸切子作家
左口 学さん

切子では珍しい曲線文様と色彩のグラデーション

左口学さん

  祖母が鹿児島で薩摩切子の職人をしていて、小さい頃から切子と吹きガラスの工場をよく見学していたという左口さん。大学を卒業して作家活動を経たのち、瀬戸市新世紀工芸館の研修生として瀬戸へ。現在は独立し、形成から削りまで一貫して行なっています。

  形成と削りの技術をともに磨きながら、切子としての新たな挑戦にも意欲的。たとえば色によって硬さが異なるガラスは、異なる色を組み合わせて形を整えるのが難しいのですが、試行錯誤により2〜3色のグラデーションを実現。多彩なガラスが光を受けて、優美な輝きを放ちます。さらに、左右対称に滑らかに削ることが難しい曲線文様を施して生まれる器やコップ。唯一無二の作品がずらりと集まります。

  年に20回以上のイベント出展のたび30〜40種類は新作を手がけているとのこと。いつ訪れても新しい作品、新たな切子の技術を目の当たりにできます。

04/フラワー作家 
柴田 めぐみさん

気分がハッピーになるやさしい色使いのフラワーアクセ

柴田めぐみさん

  ドライフラワーやプリザーブドフラワーなどのアレンジメントだけでなく、生花のように美しい造花・アーティフィシャルフラワーを使用したアクセサリーやリースを手がけている柴田さん。花同士をじっくりと見比べ、色の組み合わせをとことん研究。くすんだ色と明るい色をバランス良く並べ、幅広い色彩を生み出します。身に着けるすべての人に似合うようにと工夫を凝らし、ときには自身が追求する色に近づけるため紅茶に花を浸してオリジナルで染色することも。

  アトリエ名の「エトワルズ」はフランス語で星の意味。柴田さんのフラワーアクセを身に着けた人が星のように輝けるようにという願いが込められています。

  瀬戸市でツクリテを支援するせとまちツクリテセンターのスタッフとしての顔も。「さまざまなジャンルのツクリテと関わり合い、気軽に相談し合えるまちだからこそ、楽しんで作家活動ができているのかもしれません」。

05/銅オブジェ作家
盛林 咲子さん

インテリアに馴染む素材感を生かした銅オブジェ

盛林咲子さん

  芸大時代は、彫刻で立体造形の勉強を。卒業後は銅を使い、生活に根ざしたものを制作するようになったといいます。銅を曲げて叩いて溶接して、照明やインテリア小物に。「表面がなめらかな銅を叩いてわざとガタガタにしたり、薬品をかけて変色させたり錆びさせたり。最初から経年劣化したような風合いが好きなんです」。銅は変色してもヤスリをかければまた戻るし、熱すればやわらかくなり再び形を変えることができる。扱いやすさも魅力なんだそう。

  盛林さんが瀬戸に来たのは7年前。銅の作家が少ないこともあり、ひとりで活動することが多かったそうですが、子育てにひと段落したタイミングでせとまちツクリテセンターに登録。さまざまな分野のツクリテとの交流の場が広がったそう。「瀬戸は分野に関係なくツクリテにやさしいまち」。見るだけでなく、触って使って満足してもらえるようなものづくりを続けていきます。

06/ガラス作家
中井 亜矢さん

色を組み合わせ表現する美しいガラス制作の世界

中井亜矢さん

  東京の美大でガラス制作を学び、青森の工房で3年間修行を積んだ後、瀬戸の新世紀工芸館へ。2年間の研修を経て、瀬戸に工房兼店舗をオープン。ワークショップなどを行いながら6年間に渡り、多くのガラス製品を制作してきました。2018年に店舗を閉め、2019年春からは新たな活動を再開する予定だそう。

  中井さんが手がけるガラス製品は、キルンワークという手法によるもの。吹きガラスとは異なり、板状のガラスを組み合わせて電気炉で加熱し、デザイン性にこだわった作品に仕上げます。「キルンワークは色がたくさん使えるところが好き。形状より色彩的に面白いものを意識して作っています」。

  瀬戸はさまざまな作品やツクリテの人と触れ合える場所。陶器などガラス以外の分野の作品を見て、制作の刺激を受けることも。落ち着いた品のある色合いを手がけることが多い中井さん。2019年からどのように作風が広がるのか、楽しみなツクリテです。

07/陶作家
深田 涼さん

カラフルな色彩の焼き物で使う人に幸せを届ける

深田涼さん

  自動車メーカーに勤めたのち、陶芸の世界へ足を踏み入れたという異色な経歴の持ち主。瀬戸焼き=渋い色というイメージの定着に違和感を持っていたといい、オリジナルの釉薬を使い、カラフルな色彩が特徴的な皿や酒器、アクセサリーなどを手がけます。「器に色があると料理が華やかに見え、オシャレで楽しくなったりする。使う人が幸せになるものを作りたい」。

  故郷には反発心があったけど、瀬戸へ戻ってきて改めて、これほど陶芸をするのに恵まれた土地はないと実感。「まち全体が先生。粘土や原料もすぐに手に入るし、原料屋さんなど身近な専門家からアドバイスをもらってきました。昔ながらの分業制が残っていて、型を作る職人や粘土の生地を作る職人がいることも瀬戸の強みです」。

  陶芸に限らずさまざまな文化や技術を育んできた瀬戸。離れた後もその懐の深さに惹かれ、育てられ、今や瀬戸の新しい焼き物文化を担うツクリテのひとりです。

08/陶磁胎七宝作家
水野 このみさん

光を受けて輝く陶器×七宝の繊細な技法

水野このみさん

  多治見の陶器メーカーで絵付けの仕事をしながら仕事後や休日に作品を制作。父と弟が鋳込み技法を使った陶芸家として活動する一方、「陶磁胎七宝」という珍しい分野で自身の世界観を作りあげています。

  陶磁胎七宝とは、江戸時代末期から明治時代に数年間作られていた幻の七宝。その技法を独自で研究。陶磁器の上に幅1 ミリ程の純銀線で模様の輪郭を作り、釉薬を針で入れて焼成。銀が溶ける温度が九百度ほどに対し、一般的な釉薬が溶けるのは千二百度ほど。銀を溶かさず釉薬だけ溶けるよう、独自で釉薬を調合しています。

  美しい色彩の絵柄に純銀線の輪郭がキラキラと輝くアクセサリーやお猪口。とくにお猪口は日本酒を入れると繊細な輝きが一層引き立ちます。「今までは好きな柄や縁起のいい柄を描いていましたが、最近は純銀線と釉薬をどう組み合わせたら光がきれいに見えるかを重視しています」。繊細な技術と美しさにファンが増えています。

09/陶芸家
村井 陽子さん

日常に溶けこむゆるさ満点の陶製ミニチュア動物

村井陽子さん

  名古屋での制作活動を経て、自分の窯を構えるために瀬戸に移住。猫や白くまなど愛らしい動物の箸置きやオブジェを制作し、東京・名古屋のカフェやギャラリーなどで展示しています。大の動物好きだという村井さん。動物の仕草や表情を研究するため、図鑑や動画を見て作品に生かしています。手でこねて形を作る〝手びねり〞で、手や足の動きの細かなニュアンスを表現。同じ動物でも1つ1つ表情に違いがあるのが魅力。

  「思わず手にしたくなる親しみやすさや、愛着が感じられるものを作りたい」と村井さん。手のひらサイズの作品たちは、インテリアのどんな場所に飾っても素朴な愛らしさをもたらしてくれます。

  「古くからやきもの文化が根付く瀬戸は、市内に土屋さんや道具屋さんがあるので便利。同年代の作家同士の交流も深く、ツクリテの悩みだけでなく子育ての悩みも共有できるところも生活のしやすさにつながっています」。

10/染付・陶芸家
森本 静香さん

呉須に金属を混ぜて染付に新たな色彩を

森本静香さん

  白い陶磁器に青の濃淡のみで繊細な模様を描かれることが多い瀬戸染付。森本さんが描くのは青だけでなく紫や緑など独自の色彩を加えた新しいスタイル。本来は呉須という原料のみで描くところを、銅や鉄を混ぜることで新たな色彩を生み出しました。「どんな原料を混ぜるとどんな色になるのか、色彩の面白さに夢中になって何度も実験を繰り返し、今使っている色に辿り着きました」。

  得意とするのは、植物や花などの細やかな描写。青一色だけでは描ききれなかった水紋や睡蓮、藤の花など、色彩が増えたことで表現できるモチーフも多くなったと言います。

  芸大大学院卒業後、陶芸を続ける環境が揃っている瀬戸へ。染付工芸館で研修生として3年経験を積みつつ作品を展示してきました。今なお、新たな色彩が生み出せないか実験中。瀬戸染付に今後どのように美しい色彩が増えていくのか楽しみです。

11/エム・エム・ヨシハシ
吉橋 賢一さん

型屋ならではの持ち味で多彩なデザインを展開

吉橋賢一さん

  祖父の代から型屋。東京でパタンナーの勉強をしていた賢一さんは、瀬戸に戻ってデザイナーとコラボし前衛的なデザインの自社ブランド「彫付」「AND C」を立ち上げました。「自社ではデザインから型作りまでを行い、焼くのは窯屋さん。瀬戸には200軒以上窯屋があり、陶器や磁器、白やカラーなどそれぞれに得意分野があるので、作りたいものに合わせて焼いてもらっています」。

  型屋ならではのデザインの豊富さが魅力。人気のあるニット編みデザインの湯呑を夏に使ってもらうためにと、籐のデザインが誕生。色ではなく型でバリエーションを増やします。

  瀬戸は土が採れるし、釉薬、型、窯屋それぞれに職人がいて、やきものづくりに適した場所。ここを拠点とし、デザイナー、ツクリテ、ツカイテのつなぎ役をしたいと吉橋さんはいう。ツカイテとの接点のため、通販機能のあるウェブサイトも運営しています。

12/わたり工房
渡邉 啓範さん

木のぬくもりを生かし森を守るものづくり

渡邉啓範さん

  木材を回転させながら刃物を当てて削る、木工ろくろの技法で小物や食器を制作。〝森を守るものづくり〞をテーマに、植林された木や捨てられてしまう木材を使うことで、森の保全に貢献しています。木材の性質に合わせてしっかり木地を磨きあげることで、なめらかで温かみのある仕上がりに。

  シーンに合わせた使い勝手の良さを心がけ、木の食器は耐水性・耐油性がある食器用塗装で仕上げることでメンテナンス不要。陶器やガラスと同様に食器用洗剤で洗えます。どんぐりごまなどの雑貨は無塗装で仕上げることで、木本来の手触りや香りを楽しめます。

  「瀬戸はツクリテが活動しやすいまち。作家に対しての理解が深く、ツクリテ向けの物件も見つけやすいです」。イベントやギャラリーなど人の目に触れる場も多く、渡邉さんも積極的に参加するようになったとのこと。また、オリジナルブランドのネットショップも運営しています。

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